上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

同期との最後の別れ

 13年間勤めた会社を辞める3月の桜が咲くか咲かないかの時期。同期の3人が結婚のお祝い&送別会を開いてくれた。場所は新大久保の韓国料理店。

 会社は全国展開しているため、入社後研修を経て同期は全国各地に配属される。なので同期だからと言って頻繁に会う仲ではないのだが、同期というのは社内でも特別な存在で、他部署で活躍している話とかを耳にすると自分が褒められているようでいつも嬉しかった。だからこの会をとても楽しみにしていた。

 会は終始楽しく進み、ケーキを食べ、お腹いっぱいになりながら外へ出た。

私は3人夫々にお礼のプレゼントを300円ショップで用意していたので道端で1人づつに渡していった。

 Eちゃんは、部署が3人だけの新設立された部署に配属になったので、3人で行く用の小さなお花見セット。
 Fちゃんは、社会人になってから20キロも太ってしまったので、ダイエットグッズ。
 そして、Sちゃん。Sちゃんは、常に若者の流行を研究し仕事に繋げようと頑張っていた為、私は「若者研究科!」と呼んでおり、その若者研究科Sちゃんには、一昔前に女子高生の間で流行った自撮り棒をプレゼントした。

Eちゃんにあげた時も、大盛り上がり!
Fちゃんにあげた時も、大爆笑!
Sちゃんにあげた時は、またまた道端で大盛り上がり!

Sちゃん:「チョー面白い!!折角だから最後にこの自撮り棒使って皆で写真撮ろうよ!!」

皆:「良いねー!!撮ろう!撮ろう!」

と会話していた瞬間。

「すみませーん。TBSの者ですが、今すごく盛り上がっていらしたので何やってたか取材させて下さーい!!」

とテレビカメラが私たちのところに来た。

その次の瞬間、全員で黙りこくり

いや、盛り上がってません!!なんでもないです。じゃーねー!バイバイ!!」

とそれぞれの駅の方向に分かれてバラバラに歩いて行った。

これが、同期3人との最後の別れ方だった。

写真を撮るわけでもなく、最後別れを惜しむわけでもなく、テレビの取材班によって、何事もなかったように別れた。

なんだか、私達らしい最高の別れ方だった。

思い返すと今でも笑ってしまう。最高の思い出をありがとう!!

皆、それぞれ皆らしくこれからも活躍してね!!

そして、いつの日や夫々が活躍した姿をTBSに取材してもらおう!