上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

キャサリンの話

 キャサリンは、年齢も社歴も9個下の会社の後輩である。名古屋時代に新入社員として配属されてきた。

 キャサリンは、母親がNY生まれNY育ち。父親が日本人。というTHEハーフである。金髪にブルーの目をしているので外人感が強いが、ずっと日本で育っている為、真面目で礼儀正しく感覚はしっかり日本人だ。


 配属された時は、正直、”あれ?外人がきたぞ!”と思って何かトリッキーなことしてくれるのではないかとワクワクしたが、すぐに普通の新入社員だと気づいた。
 

 しかし、配属1ヶ月後。その日は、大事な会議の日。皆がビシッとスーツやジャケットを着てきている中、キャサリンは普通にTシャツで来た!
“おや?”と思い、キャサリンの教育係のNちゃんに、

カウ:「キャサリンに、ジャケット着てきな!って言ったほうがいいよ。」

と伝えた。

Nちゃんは、すぐにキャサリンに、
N:「今日は大事な会議の日だからジャケット着ないとダメだよ!皆きちんとした格好してるでしょ?」

と伝えた。

おー、ちゃんと伝えてる。と安心し、自分の仕事に取り掛かっていると、走ってNちゃんがこっちにやってきた。

N:「カウさん!キャサリンに、ジャケットの件注意したら、“WOW!”“OH MY GOD!”って返されました!私、ビックリしちゃって、“うん”って言ってここに走ってきちゃいました!」

カウ:「なにそれ、チョー面白いじゃん!」

キャサリンの反応にも、Nちゃんの反応にも大爆笑してしまった。

キャサリンは、感覚は日本人だが、お母さんとの会話では英語を使うことが多いらしく、怒られたり、注意されたりすると、咄嗟に英語の反応が出てしまうとのこと。

 この1件がきっかけで、キャサリンの面白さに気づき、9個も年下だが、休みの日も一緒に遊ぶ程の仲良しになった!
 

 今でも真面目で礼儀正しく、堅実なキャサリンが大好きだ。