湯舟君
転勤で名古屋に4年間住んでいた。今日は、その時のお話です。
私は30歳で異動になったが、その他にも事務所には20代後半の妙齢な女性達がいた。
名古屋生活も長くなるだろうと踏んでいて刺激が必要と感じた事と、後輩たちに良い顔をしたかったので、着任するなり早々愛知県が世界に誇る大企業Tとの合コンをセッティングをた。
この合コンは行く前から相当盛り上がり、色々作戦を考えた。とりあえず男性陣のテンションを上げるべく、一番若くて可愛くて足が綺麗なAちゃんにミニスカートで来るように指示を出した。一人、彼氏がいるSは、彼氏がいるとは言わないが終始、皆にトスを上げる役等々。。。
当日、本当にAちゃんはミニスカートで出勤した!
すると男性陣の視線は一気にAちゃんの足に集中した。
”よし!今日は絶対上手くいく!”
確信した。
終了時間後、いざ出陣!
23、24時くらいまで普段働いている私たちが、その日だけは、定時でそそくさと帰る。それだけで既に面白かった。
Tの社員も全員揃い、合コンスタート!!
誰がどういうキャラで攻めるか、誰々はメンズの前ではどうなるのか?Sはどこまで良いトスがあげられるのか?など探りも含め、兎に角会は終始盛り上がった!
1次会お開きのタイミングで、女性陣はあまりに会が面白かった為、早く女性陣だけになり、あーだ、こーだの反省会をしたかった。しかし、男性陣は2次会に行きたがる。盛り上がった証拠だ(Aちゃんのお陰と作戦勝)。そこで、私たちは、番号、line交換をし、
「皆が入っているグループlineに招待しておきますね!」
と、一人代表で湯船君というメンズ陣の一番若手のイケメンをlineのグループに招待し、
「Tまで戻るのに終電なくなってしまいますよー!」
と無理やり電車に乗せた。駅で見送った後、
「あー、面白かったー!!」
女性陣だけで2次会をスタートさせた。誰が一番良かったか、あの時の誰々の答えチョー面白かったよねー。あの人ないわぁー。とか皆好き勝手言って大爆笑していた。
そして、Aちゃんに、
「Aちゃんは誰が良かったの?」
Aちゃんがいつになく真面目な顔&小声で
Aちゃん:「えっ、私、湯船君が滅茶苦茶タイプなんです。」
「えーっ!!Aちゃん!絶対いけるよ!いいよ!いいよ!頑張れ!!」
Aちゃんの本気度が伝わり一気に2次会も盛り上がった!
夜中の2時まで、湯船君とAちゃんの話で盛り上がった。夫々家に帰ってからも、余韻が残っており、グループlineで会話は続いた。酔っていいたこともあり、大分妄想も入ったAちゃんと湯舟君の話がメインで繰り広げられた。
「Aちゃん、湯舟つかりなよ!」「私もうそろそろ寝るので、湯舟にはいってきまーす!」「湯舟は熱いね!!」
等、皆言いたい放題言っていつの間にか寝てしまった。私もそのままソファで寝て、気づいた頃には、翌日のお昼を優に超えていた。
何時だろう。携帯で時間を確認したとき、画面にlineのメッセージの始まりが映った。
差出人は「湯舟」だった。一瞬訳が分からなくなったが、思い出した瞬間、
「わーっ!!」
私は初めて自らの携帯電話を自らの手で投げてしまった。
あのグループlineに湯舟君を招待していたのだった。全員それを忘れて、湯舟君とAちゃんの事を好き勝手言い合ってしまった。
冷静になるまでしばらく時間がかかった。落ち着いて、ゆっくり、昨日のlineに失礼がなかったか読み返した。ゴクリッ。
そこまで失礼な文章はなかったが、Aちゃんが湯舟君を気に入っていることは確実に伝わる文章。
それなにに、それに対し、一番年下の湯舟君は全部わかっているにも関わらず、
「Aちゃんの今後が気になりますね!」
とスマートに大人な対応。
全員、慌てて、Aちゃんに謝った。
大反省とともにこのlineグループの一件は伝説となった。
ちなみに、その後、Aちゃんと湯舟君は2回お食事に行ったが、それ以上でも以下でもない関係で終わった。
はたして、この名古屋着任早々の合コンは成功だったのか?
物凄いネタができ、一気に女子の団結力も上がったので、大成功です!!