上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

夫グレイスと父の共通点

 良く、”自分の父親に似た人を好きになる”と言うが、まさしくその通りだと思う。
やはり、生まれた時から一番身近な男性であって、どんなことであれ結局は落ち着き安心するのだと思う。グレイスに初めて会った時から、大人しくて、欲がなくて、お坊ちゃまなところがパパみたいだと思っていたが。
 グレイスと初めて2人で出かけた時、吉祥寺の人気ピザ屋さんが1時間ほど待つ状況だったので、時間をつぶすために、井の頭公園の池の周りを一周して色々お話をした。
本当に、初めてなので、

カウ:「趣味は何ですか?」

グレイス:「特にあるわけではないけど、自転車かな?うん。ロードバイク。1回奥多摩まで行って帰って来た。」

カウ:「1回!?」

グレイス:「そう。1回。ほら、疲れちゃうでしょ。」

カウ:「あー。他には?」

グレイス:「うーん。カメラは好きかな。写真展も良くいくし、通ってる美容師さんに勧められて良いカメラも買った。」

カウ:「へー。すごいですね!何撮ってるのですか?」

グレイス:「最初は街中とか撮ってたかな~。今は撮ってないなぁ。でも好き。」

 普通の人なら、ここまで聞いくと、なんで?自転車もカメラも高価なものなのにもったいない!と思うのだろう。しかし、私は、

“うぁ~。パパにそっくり!好き!”

と感じたのだ。

 父も、良いカメラを買ったが、使っているところは見たことがない。そして、自転車ではないが、例えば、ゴルフ道具を一式を買ったもののその後一度もゴルフに行っていない。キャンプセットを買ったがキャンプに行ったことはない。見かねた母が家の中でキャンプ用のテーブルと椅子をセットしたりした。

”同じだ!”


今一緒に住み、自転車は綺麗なまま、玄関に飾ってある。オブジェだろう。
カメラは、外出時に2度ほど首から下げているのを見たことがあるが、撮っているところは記憶にない。たぶんアクセサリーだろう。

素敵。


こんな安心する人他にはいないな。