上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

NYにいる自分!!

 一時期、NYが世界の中心だと思っていた。

高層ビルが大好き、美術館も、ミュージカルも、洋服も、セックスアンドザシティも大好きとなれば、NYに行かない理由がない。今までの旅行で一番多く行った場所だ。

 5回目のNY。高校時代の剣道部の後輩MがNYに転勤で行っていたので、後輩Yと一緒に会いに行った。

 後輩Mの家に遊びに行く、メッツの試合を見に行く、後輩Yは初めてのNYだったのでひとしきり観光スポットを回る、大学の後輩と会う。等々、予定は盛沢山であった。
あと、NYに行ったら必ずブロードウェイミュージカルを2、3個見る。1つは決まってシカゴ。あとは、その時やっている見たいものを見ていた。

 その時は、シカゴとアラジンを見た。
シカゴは日本の来日公演でも見たり、宝塚歌劇団OGのやるシカゴ等も見に行った事があるので、自分の好きな場面、好きな歌とダンスの個所が分かっている。なので、その他のところはウトウトしてしまうこともある。そう、ブロードウェイを見に行く時間は毎回時差ボケで苦しめられ大抵爆睡してしまう。それなのに毎回何を見ても大満足でホテルまで帰っていける。
やはり世界のトップのエンターテイメントはそれだけの力を持っているのだ
と思っていた。

 アラジンも初めて見るにも関わらず、やはり寝てしまった。
しかし、ホテルまで歩いて帰っている間、ずっと、A Whole New Worldを一人熱唱しながら帰ったら、後輩Yに今まで気づかなかった、真意を突かれた。


後輩Y:「先輩、先輩はアラジンを見てる最中爆睡していたのに、なんでそんなに大きな声で歌いながら帰れるんですか?私、先輩と旅行してわかったんです。」

カウ:「えっ?何が?」

後輩Y:「先輩は、ブロードウェイミュージカルが好きなんじゃない!ただ、ブロードウェイミュージカルを見ている自分が好きなんですよ!」

カウ:「ドキッ!」

後輩Y:「先輩は、美術館好きって言って、美術館に行くけど、さぁーと見て終わるじゃないですか?先輩は美術館が好きなんじゃなくて、美術館にいる自分が好きなんです!」

後輩Yの口調がどんどんヒートアップしていく!

後輩Y:「セントラルパークに行っても散策もろくにせず。セントラルパークにいる自分が好きなだけ!5番街にいる自分が好き!ソーホーで買い物している自分が好き!スタバ飲んでる自分が好き! 要するに、NYを旅行したいのではなく、NYにいる自分がに酔いしれているだけなんですよ!!」

カウ:「、、、本当だ!初めて分かった。ありがとう!」

 

後輩Yのおっしゃる通りで、何でもかんでも結局は、それをやっている自分が好き!というただ単に自分大好き人間なだけだった!!

 

それを気づかせてくれたNYには、今回の人生であと2回くらい行きたいな。

JTB

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NY!!