上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

世界一可愛い子の話

 私は、自他ともに認める、過保護で溺愛されて育ってきた。

母の口癖は

「カウちゃんが、世界一可愛い!!」

だ。

これは生まれてすぐ始まっており、残っている逸話としては、まだ歩けない私を抱っこし公園へ行き、そこら中の人たちに、

「ほら、可愛いでしょう?こんな可愛い子産んじゃった!」

と言って見せて回っていたらしい。その様子を見かねた祖母が

「やめなさい!恥ずかしい!そう見えるのはあなただけなんだから!」

と言って宥めたくらいだった。
 

 何をやっても「世界一可愛い」と言われて育ってきたものだから、それはもちろん異性からもモテモテの人生が待っていると思っていた。実際、小学生の頃は元気があって明るい子がモテルというか人気者なので、それなりに人生に手ごたえは感じていた。

 しかし、中学生になったとたん状況は一変する。男女ともに異性を見る目が変わるのだ。そして、もちろん顔が整っていて可愛い子が目立つし、モテル。

面白いとかは関係なくなる。

”おかしいなぁ。全然もてないぞ!?”

と思い、母親に聞いてみた。

カウ:「ママ!私世界一可愛いんでしょ?ねー、全然モテないんだけど!ミカとかサヤの方が全然モテル!」

すると、

母親:「あらー、当たり前じゃなーい~カウちゃんの可愛さは、そういう可愛さじゃないのよ~(ルンルン♪)。私にとって世界一なの♪♪」

カウ:「ほ、ほう。。。  了解!」

 この日以降、身の丈に合った考え方をもち、謙虚に生きていこうと誓った。

しかし、未だに「世界一可愛い」と言ってくれる母の言葉は、ちゃんと理解すると、絶対的な自信に繋がり、いつも私を支えてくれている。

ありがとう!!

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公園での一幕