上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

平成を駆け抜けた祖母①

私の父方の祖母は平成の終わりに98年の華やかな人生に幕を下ろした。

大往生とは正におばあちゃま(※私の呼び方。兄は、お兄ちゃま)のことを言うのだろう。
90歳を過ぎた頃から老人ホームに入居したが、痴呆で自分の事がわからなくなってきている中でも周りの人に言うことはただ一つ「ありがとう」だった。

何て憂いのない人生だったのだろう。

私は、今までもこれからもお祖母ちゃまの孫だという事を誇りに思って生きていく。

お祖母ちゃま、本当にありがとうございました。

 

 平成を駆け抜けたと書いたが、実際、60歳を過ぎてから、自宅を改装し大広間を作り、当時まだ流行っていなかったカラオケ(レーザーカラオケ)を導入し、大人数で歌って踊れるスタジオを作り大成功を収めた。

しかし、今日はもっと前の話をしよう。

 

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 私は、お祖母ちゃまの晩年の4年間は地方にいたので、東京に帰って来たときにタイミングを見て老人ホームに会いに行っていた。

ある日、母親に

カウ:「お祖母ちゃまのところ最近行ってないから会いに行きたいな」

母:「あら、お祖母ちゃま今入院してるのよ」

カウ:「えっ、なんで!?」

驚きと不安が入り混じる。

母:「胸のシリコン取る手術よ。」

カウ:「、、、うぇっ!?えっ?お祖母ちゃま、胸にシリコン入ってるの!?」

驚きすぎて、よく訳が分からなかったが、私の顔が物凄く笑顔だったことはわかる。

母:「片方の胸のシリコンが溶けて流れちゃってね~、ヘルパーさん達もお風呂入れてくれるたびにビックリするのよ」

カウ:「は、はぁ? ってか、お祖母ちゃま何歳よ!いつシリコンなんか入れるのよ!」

母:「今年で93歳で、年取ってからはさすがに入れないだろうから、、、」

カウ:「ってことは、お祖母ちゃまは半世紀も前にシリコンを入れたの!?スゲー!!多分日本で初くらいだよー!!すごいわー!」

ここで疑問に思うことが1つ。なぜ、シリコンを入れたのか。

 母曰く(これもあくまで予想だが)、お爺ちゃまがどうやら浮気をしていたらしい、
お爺ちゃまが、浮気相手と出かけているところを尾行し、丸ノ内線の中で二人の目の前に立ったことがあるとの逸話が残っている。

ということは、、、その浮気相手の胸が大きかったのかぁーーー!!

あっぱれ。

 

 何はともあれ、流れた片方のシリコンを取る手術とその数年後もう片方の胸のシリコンも手術で取り除かれ、生まれた時の状態で天国へと旅立った。

 

 天国でも、天国で初くらいな勢いでシリコン入れて、歌って踊って、麻雀やって元気に過ごしてね!!

そして、私たちの事、いつまでも見守っていてください。
いつもありがとう。大好き。