上手く出来た話

~平成の最後に寿退社し、 令和の初日に結婚した私のお話~

「M」愛すべき人がいた!

 浜崎あゆみさんの本、「M」~愛すべき人がいて~が話題になっているが、もちろん、ドンピシャ世代の私達は例えファンでなくても必然的にこの話題で盛り上がってしまう。
「身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛しました」の個所は流石一時代を築いただけあって、この言葉の破壊力、インパクトは目を見張るものがある。

幼馴染3人でランチを食べていた時、

カウ:「浜崎の本凄くない?」

O:「あれは、凄いよね!なんで今更!?」

カウ:「いやー、でもあれは読んでみたくなっちゃうよね!」

O:「いやいや、読んでみたいけど、今の奥さんの気持ちとか、浜崎の前の旦那さんの事とか考えるとね、、、」

カウ:「確かにねぇー。いやー。」

ワイドショーのコメンテーターと同じ様なことをペチャクチャと繰り返し話していた。

カウ:「あれ?M?さっきから黙っているけど、どうしたの?」

M:「いや、私さ、何も言えないわぁ。」

カウ:「なんで?」

M:「身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛したんでしょ?私もそうじゃん?」

カウ:「あっ!確かに!」

皆、Mの大恋愛を思い出していた。

Mは地元では有名なほどの大恋愛を高校から20歳くらいまでにしている。凄く激しい恋だった。今ではもちろん笑い話なので、3人で大笑いした。

M:「ちょっと待って!私だけじゃなくない?」

カウ:「あっ!O!そういえば、アメリカまで追いかけて行ったよね?」

O:「ワッハッハー!本当だ!身滅ぼしてたわぁー。」

M:「いや、カウ、カウだってずっと引きずってたじゃん!」

カウ:「ワッハッハー!!引きずってたねー!!」

O:「なんだ、全員、身を滅ぼすほどの恋愛してるじゃん!しかも、全員、その相手と結婚していない。っていうね!」

M:「面白いねー。そういうものなんだよ!」

カウ:「しかも、皆今幸せだしね!」

M:「いやー、必要な事だったんですよ!」

しばし、夫々に身を滅ぼした相手に思いを馳せた。

そして、今ある幸せに感謝し、今日は帰ったら美味しい夕飯を作って待っていようと思った。